契約破棄になった取引先にも細々とパイプを残してくれたり
営業車が足りなくてバスで移動していた私を拾ってくれたりもした。
だから自分の営業の時間を削っても、調べものをしてあげたり
退職した派遣社員の苦情客を引き継いだりしていた。
ポイントカードの件もそのひとつだ。

正社員は先輩でそこそこ居て、派遣社員を下に見ている姿に
AV求人に反発していたところもあった。偏屈な正社員だったのかも知れない。

そんなある日。飲み会の二次会にカラオケに行った。
意識していなかったが、総勢15人のなかで正社員は私だけ。
そして、曲は始まらなかった。

「あんたの年収はいくらだ。」
「ウソだ。もっともらってるはずだ。」
「おれ達は冷遇されてる。」
「正社員はロクに働いてもいないクセにもらいすぎだ。」